YAZAKI 過去がある。今がある。未来がある。 YAZAKI 過去がある。今がある。未来がある。

浜松工場 アロエースの溶接風景(平成25年)

EPISODE

継承する矢崎人の想い

75年経った今でも語り継がれる、先人たちの変わらない
「想い=矢崎精神」を象徴するエピソードをご紹介します。

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EXPO'70

矢崎の従業員、家族、パートもOK
無料で泊まれたEXPO'70宿舎

1泊朝食つき無料

1970年3月、大阪府吹田市の千里丘陵でアジア初となる国際博覧会EXPO'70の幕が切って落とされた。3月14日から9月13日までの183日間開催された国際博覧会は、日本にとっては1964年の東京オリンピックに続いて挙行される国際的イベント。とくにアメリカ館で展示した「月の石」は国民的関心の的となり、ほかのパビリオンも軒並み長蛇の列。入場者は延べ約6,421万人(内、外国人入場者約170万人)、1日の最高入場者数は83万人という記録を打ち立てた。

当然、誰もが見たい。ぜひとも見学に行きたいが、どこも宿が満員で諦めるしかない。

そんな従業員の声を聞いた創業社長・矢﨑貞美が、「よし、夏用の簡単な宿舎なら作ってしまおう」と即決。滋賀県栗東にある矢崎総業 滋賀支店(当時)(名神高速道路栗東I.Cより徒歩5分)に、AB2棟・各52名、合計104名分の“矢崎グループ万博宿舎”ができ上がった。

特筆したいのは、矢崎の従業員はもちろん、その家族、パートさんに至るまで利用できる点。朝食もセルフだが無料で食べられる。見学後は、食事やお酒も楽しめる(有料)。基本的に経費は自己負担だが会社からの補助もあり、沼津発着で新幹線利用の場合、往復費用は8,110円ほどだったらしい。当時発行された社内報「矢崎ニュース」の見出しに「色メガネ・ムギワラ帽子は絶対必要! ノーネクタイで行こう」とあるのが、なんとも微笑ましい。「家族主義経営」矢崎の面目躍如たるエピソードである。