地域社会との取り組み

概要

矢崎は、「社会から必要とされる企業」として、森林再生や地域循環型社会の実現を目指す自治体様や地域住民の皆様とともに活動を進めております。
脱炭素先行地域に認定された高知県梼原町、岡山県西粟倉村においては、エネルギーの地産地消に向け、ペレット工場の立ち上げや地域熱供給ネットワークの構築等に携わってまいりました。
また、静岡県浜松市においても地域バイオマス資源の利活用に向けた「夢プロジェクトさくま」に新たに参画しております。

高知県 梼原町 第一回 脱炭素先行地域選定

梼原町の紹介

梼原町は、四万十川の源流域に位置し、森林が町面積の91%を占めています。森林の恩恵を受けながら、古くから自然との共生を目指してきました。この森林は、梼原町独特の伝統や文化に影響を与えるとともに、基幹産業である林業を支えています。

また町内には、日本の夜明けを信じ幕末を駆け抜けた坂本竜馬達が通った「維新の道・脱藩の道」があります。

梼原町の取り組み

森林資源の適正管理:FSC認証取得・利用推進

梼原町森林組合は、地球環境・資源エネルギー循環の時代に向かってグローバルな森林組合への自己改革を目指し、行動指針21「山中八策」を定めました。同時に、森林組合として日本初となるFSC認証を取得しました。

FSC認証を取得した森
FSC材を使った梼原町総合庁舎

未来へつなぐ人材育成:森林の多目的利用

これまで共同で整備を進めてきた町有の造林地が、森林セラピーロードとして認定されました。このセラピーロードは「OAAOロード」と名づけられ「森のようちえん」などに利用されています。

自然の中で感性を育む「森のようちえん」(2010年~)
セラピーロード認定:OAAOロード(2012年~)

※FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)

国際機関である森林管理協議会の規定にしたがい、「環境に配慮した適切な森林管理」が行われていることを、第三者機関が認証するもの

※OAAO

One for All, All for Oneの略

※山中八策

坂本龍馬の船中八策にならい、梼原町森林組合が森林再生のための考え方を8つにまとめたもの

森林資源の循環

木質バイオマス地域循環利用事業

行政・地域住民・企業が三位一体となり、2005年に木質バイオマス地域循環利用事業を立ち上げ、2008年には「ゆすはらペレット(株)」のペレット工場が稼働しました。森林資源の循環利用をめざし、梼原町の林業の活性化、森林の整備と保全のため、間伐材や製材所の端材などをペレット化し、燃料として活用しています。

ゆすはらペレット(株)ペレット工場
梼原町立梼原学園に設置された木質ペレット焚バイオアロエース
梼原町の農家に設置された同型の木質ペレット焚温風機

※ゆすはらペレット株式会社 株主構成

梼原町:51%、矢崎エナジーシステム:35%、森林組合:10%、町内林産組合、JA、商工会など:4%

※木質ペレット焚バイオアロエース

木質ペレットを直接エネルギー源とした世界初の吸収冷温水機

岡山県 西粟倉村 第一回 脱炭素先行地域選定

西粟倉村の紹介

西粟倉村は、岡山県の最東北端に位置し、町面積の約95%を山林が占めています。温浴施設やスキー場、キャンプ場などの施設があり、観光スポットとしても人気の村です。
また、西粟倉村ではSDGsが国連サミットで採択された2015年よりもはるか前から、独自の経済循環モデルや低炭素社会の構築等に取り組んでいます。これらの活動は、他の自治体のSDGs実現に向けた活動のモデルにもなっています。

西粟倉村における取り組み

西粟倉村は、「環境モデル都市」に選ばれています

低炭素社会を目指す社会の姿を具体的にわかりやすく示すのが「環境モデル都市」です。高い目標を掲げて先駆的な取り組みにチャレンジする都市を国が選定し、その実現を支援しています。

西粟倉村は2013年4月2日に選定。百年の森林(もり)事業に限らず、再生可能エネルギーの導入等を通じた低炭素社会の構築を推進しています。小水力発電、バイオマス、太陽光発電等、「限りある自然の恵みを大切な人たちと分かち合う上質な田舎」作りを通じた、我が国の中山間地における低炭素モデル地域の創造を目指しています。

西粟倉村は、「バイオマス産業都市」に選ばれています

2014年3月28日、関係7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が共同で推進している「バイオマス産業都市」に西粟倉村が選定されました。「バイオマス産業都市」とは、地域の特色を生かしたバイオマス産業を軸とした、環境に優しく災害に強いまち、むらづくりを目指す地域です。

2008年

西粟倉村百年の森構想発表

2013年

環境モデル都市認定

2014年

地域バイオマス産業化推進事業認定

2019年

SDGs未来都市認定

2022年

脱炭素先行地域選定

西粟倉村への矢崎の関わり

矢崎は、2016年から西粟倉村の持続可能な自給自足型社会の構築に携わっております。西粟倉村産の木材を活用した、熱供給ネットワーク構築の設計・管理、建物のCO₂排出量削減診断等、官民一体となって西粟倉村の構築に取り組んでいます。

地域熱供給ネットワークの設計管理

西粟倉村では、地域の木材を熱源とする木質チップボイラーを用いて、地域内の公共施設への温水供給を行っています。矢崎は、熱供給に使用する木質チップボイラーの選定や熱供給ネットワークの設計や監理等に携わっております。

地域熱供給イメージ

地域熱供給先施設

西粟倉中学校
こども館
西粟倉小学校
いきいきふれあいセンター
ゆうゆうハウス・ひだまり

公共施設のCO₂排出削減に向けたご提案

西粟倉村では、地域内の公共施設におけるCO₂排出量削減に積極的に取り組んでいます。
各施設における現状のCO₂排出量の調査やCO₂排出量削減に向けた具体策のご提案を矢崎にて実施させていただいております。

CO₂排出量診断の実施先例

道の駅レストセンター
「あわくらんど」
バイキングレストラン
「あわくら 旬の里」
湯~とぴあ 
黄金泉
国民宿舎
「あわくら荘」

静岡県 浜松市 第一回 脱炭素先行地域選定

浜松市の紹介

浜松市は、首都圏と関西圏のほぼ中間に位置し、都市機能や先端技術産業が集積する都市部、都市近郊型農業が盛んな平野部、豊富な水産資源に恵まれた沿岸部、広大な森林資源を擁する中山間地域があり、まさに国土縮図型都市です。
江戸時代から続く綿織物と製材業をルーツとした地場産業が盛んで、繊維、楽器、輸送用機器の三大産業を中心とし、近年では産学官の連携を積極的に展開し、次世代自動車、光・電子技術関連等の高度な技術の集積が進みつつあります。

浜松市と矢崎

矢崎は、ガス機器を製造する天竜工場と空調機器・太陽熱機器を製造する浜松工場の2つの生産拠点を浜松市内に有し、浜松市とともに発展してきました。天竜区役所では矢崎の木質ペレット焚バイオアロエースを活用してCO₂削減も進めています。

天竜工場
浜松工場

『夢プロジェクトさくま』への参画

浜松市では、佐久間地域における森林資源や佐久間ダムに集まる流木などを利用した地域バイオマス活用を市と地域企業を中心とした協議体で発電や熱利用を検討しています。
矢崎は梼原町・西粟倉村などで培った実績をもとに、本プロジェクトにおけるバイオマス熱利用のプランニングに携わっています。

廃熱利用Webシミュレーター
廃熱関連情報(温度、流量)を入力することにより、廃熱利用機器の選定をWeb上でシミュレーションしていただくことができます。